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zoom RSS ZERO LANDMINE 〜地雷ZERO〜

<<   作成日時 : 2006/02/05 15:30   >>

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画像久々に聴いて、人の声が重なり合う程に温かみを増し、空間が無限に広がってゆきそうな感覚に心が震えた。
これはTBSの50周年特別企画であると共に、坂本龍一の人脈によって形を成した音楽。2001.4.25に“N.M.L.(NO MORE LANDMINE)”というユニットで、収益を地雷除去の資金に充てる目的を持ってCDを発売し、同30日には世界各地のアーティスト達を結んでTVで生演奏を行った。数え切れないほど大勢の国内外のミュージシャン達、ダライ・ラマ、故ダイアナ妃の言葉、様々な映像…何度見ても涙が溢れてきそうだ。

主題歌の歌詞は坂本氏から依頼されDavid Sylvianが書いたもの。(下は日本語訳から一部抜粋)


あなたにも見える?
地面には木が根を下ろしている
暴力はもうたくさんだ
この地にもう一度平和を

ここはわたしたちみんなの世界で
わたしたちみんなの救いがある
だから、国も、国境も、関係がない



緑の草原を、血みたいな赤に塗ったのは誰?
広い大空を、悲しみの青に塗ったのは誰?
強い風が、恐れと怒りを運んできたよ
そして風が明日を奪っていったよ

ここがわたしの家
おかあさんに育てられ
懐かしい兄や妹たちと
遊んだところ


TVでは2時間半の特別番組が組まれ、気を失いそうな膨大な数(2001年発売のCDの説明では「70カ国以上に6千〜7千万個の地雷が埋められ」「20分に1人の割合で新たな地雷の被害者が生まれ続け…」とある)の地雷除去に向けて自分の身を犠牲にしても奮闘する人々や、地雷で危険とされる土地に住むしかない子供達の姿が取材されていた記憶がある。

番組の最後のセッションの映像にも、LOVEという文字の入ったTシャツを着ながら、噴煙に濁る空気の中で泣く少年、また、真っ直ぐに曇りのない瞳で何かを訴えるかのような少女が映る。
それに対して、生セッションで、どこを見つめるべきか戸惑いながらも自らの心を問うように歌うアーティスト達の瞳が私には印象的だった。

私の尊敬するダライ・ラマ14世も、この歌の中に「私の夢はいつの日か世界中から完全に武器をなくす事」と言葉を残しているが、彼の著書を読むと、それが簡単ではないことを、もちろん彼自身も十分に悟っている。但し、長い時間をかけても、段階的に武器を減らす方策はあるとイメージしているようだ。


この企画から、早くも5年が経過しようとしている。結局、相対的に・・埋められた地雷は減っている?世界は平和になっている???

昨日、フィリピンでTV収録中に先を競って走った人々が将棋倒しになって80人以上が死亡したと伝えられたニュース。これは「爆弾がある」と誰かが叫んだという尾ひれ付きの事故らしい。
もっと世界が穏やかなら、それをデマだと笑って受け流せた人の方が大勢居ただろうに…


〜このCDの(主な)参加アーティスト〜
伊勢友一・UA・大貫妙子・坂本龍一・桜井和寿(Mr.Children)・佐野元春・SUGIZO・高橋幸宏・TAKURO(GLAY)・CHARA・DJ KRUSH・TERU(GLAY)・東京少年少女合唱隊・DREAMS COME TRUE・藤原真理・細野晴臣・ヤマタカEY∃・伶楽舎
Arto Lindsay・Brian Eno・Choi Su Jyung・Cyndi Lauper・David Sylvian・Jadranka・Jaques Morelenbaum・Kim Duk-Soo・Kraftwerk・
Lee Jun-Woo・Sonaali Rathod・Steve Jansen・Talvin Singh・Ustad Sultan Khan・Waldemar Bastos・Yun Seo-Kyong


〜坂本龍一の公式コメント〜
ぼくが地雷の問題に関心をもったのは、そんなに前のことじゃない。生前、ダイアナ妃がアンゴラまで出かけて、対人地雷廃絶を訴えていたのは何となく知っていた。ICBLという組織がインターネットで活動を拡大し、ノーベル平和賞を授与されたことも知っていた。しかし、この地雷の問題に深く動かされることになったきっかけは、某TV番組だった。それは、地雷撤去中に片手と片足を失った白人の男が、地雷の問題について自分の母校で、子供たちに教授するというものだった。その中で、白人の男は義手義足でフルマラソンを走っていた。ぼくはそれを見ながら、この白人男性の不屈の精神に感嘆した。キリスト教の福祉の精神がその男の精神力の支えであることは明白だった。その男はクリス・ムーンというスコットランド人だった。そのクリスと共に、彼が片腕と片足を失った、モザンビークのまさにその現場に行くことになるとは、夢にも思わなかった。クリスを通して、地雷という武器が「平和を知らない」いかに残酷なものかということ、その被害がいかに人々の生活をどん底に落とし入れるか、ということを学んだ。ぼくはラッキーにも最高の先生を得たわけだ。クリスに接して、この男の精神と肉体の強靭さに、ぼくは舌を巻いた。

地雷問題と音楽をどう関係づけるか?とりあえず、大きく地雷の被害にあっている国の地図を見る。朝鮮半島、カンボジア、ボスニア、アンゴラ、モザンビーク・・・。家にあるそれらの国々のCDを聴いてみる。ネットで検索してみる。本を注文して読む。いろいろなことを頭にインプットしながら、全体がどのような音楽として成立できるのか、想像してみる。音楽は様々だ。一つに国にもいろいろな文化があり、いろいろな民族がいて、言語や音楽も異なる。ましてや地理的にも離れた場所の音楽を一つに同居させるのは難しい。それぞれの文化がもつ固有性を壊してしまうことになりかねない。音楽がほぼ形をとった現在の時点でも、果たしてそれが成功しているかどうか定かではない。どんなにこちらが「誠意」をもって固有の音楽を扱っても、どうしても内から見れば「外から」標本化していると聞えるはずだ。搾取は誠意で救われるわけではない。しかし、そのような違和を感じているはずの音楽家たちがたくさん参加してくれた。地雷廃絶は、世界から武器を一掃し、武力で問題の解決を図るという時代遅れな行動をやめるための一歩だ、というダライラマ法王の言葉を、それらの音楽家たちも共有してくれたのだと思いたい。

結局、音楽はイヌイットの少女の素朴な歌から始まり、まるでアフリカを出たモンゴロイドの旅の半分を逆にたどるように、朝鮮半島を通り、カンボジア、インド、 チベットを抜け、ボスニアでヨーロッパをかすめ、アフリカのアンゴラに行き、人類 発生の地、東アフリカに位置する「大地溝帯」の南端、モザンビークに達する「音楽の旅」になった。もちろん世界にはこれ以外にも地雷に関係する国はたくさんある が、単なる貼り絵細工に終わらないための選択だった。旅の終わりに、たくさんの音楽家による合唱で音楽は終わる。いろいろ考えて、長年の友人であるデビッド・シルヴィアンに「子供でも歌える、シンプルで優しい詞を書いてくれ」と頼んだ。二、三日して送られてきたものは、普段の難解なデビッドの仕事からは想像もできない、シンプルで優しい詞だった。彼の暖かい心に感動した。その詞を村上龍に送り、日本語に訳してもらった。もう20年も顔を合わしていないクラフトワークからは、ネットを通して「Zero Landmine」というサウンドロゴが送られてきた。ブライアン・イーノ は「任せてくれ」という謎の言葉を残し、ひとりで作業していた。音の到着が非常に楽しみだ。初めて仕事をした人もたくさんいた。ナンプーラで出会った若いバンド、 アンゴラの内戦を逃れてリスボンに住むヴァルデマー・バストス、アジェンという想像を絶する楽器をぼくに紹介してくれた金徳基と利恵さん、日本の優れたヴォーカリスト達・・・。

このCDが売れることで、確実に地雷が除去される。そのようにお金の流れを明白にしたい。除去されていく状況を確実にWEBで伝えたい。地雷だけではなく、20世紀の負の遺産を次世代に残してはいけない。富や権力や宗教の為に、人が殺されることのない世界を望むことは、果たして青くさい妄想なのだろうか?妄想だとは思いたくない。ぼくたちがそう望めばそれは実現するはずなのだ。全ては「希望すること」からはじまるのではないのか?

Halo TrustなどのNGOの活動で、世界から確実に地雷が一つ一つ除去されていっている。ぼくがモザンビークで見せてもらった大きな地図には、地雷がまだ埋まっていると思われる地点を示す赤ピンと、除去された場所を示す無数の青ピンがささっていた。あと5年でこの国の全ての赤ピンは青ピンに変わる予定だ。地道だが確実な希望が、ここにある。

坂本龍一
2001 03 18


〜"ZERO LANDMINE" Lyric by N.M.L.〜

This is my home
The land of my mother
The place I play
With sisters and brothers

The trees are rooted
In the ground beneath
Take away the violence
Give the earth back its peace

This is our world
Our common salvation
It knows no borders
It serves no nation

The same sun shines equally
On those beneath
Take away the violence
Give the earth back its peace

There's fire in the ground
In the space between the trees
In the forests and fields
On pathways,in dreams

The stars are whispering
To the ground beneath
Take away the darkness
Give the earth back its peace Who painted the green grass red with danger
Who coloured the big sky blue with sorrow
A strong wind carrying fear and anger
Came and went and stole tomorrow

This is my home
The land of my mother
The place I play
With sisters and brothers

The trees are rooted
In the ground beneath
Take away the violence
Give the earth back its peace

The same sun shines equally
On those beneath
Take away the darkness
Give the earth back its peace

Like trees we're rooted
In the ground beneath
Take away the violence
Give the earth back its peace

Give the earth back its peace

(C) 2001 by NICHION,INC.
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R.Sakamoto + D.sylvian 【WORLD CITIZEN】
祝日が連なって出来上がったGW。私など、いつが何の日か忘れてしまいそうなのですが…5/3は憲法記念日。直接は何の関係もないですが、"World Citizen"という言葉に、未来に向けて何か「解」が見たい気がしてCDトレイに乗せてみてます。 ...続きを見る
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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
えー、僕も放送見ましたよ。『ZERO LANDMINE』ももちろんですが、『ワールド・シティズン』にもグルっときましたですよ。

そして暴力が台頭し
すべての希望が消え去るとき
だれが人間の魂を抱きしめて
その損失を引き受けるんだ

ひとつの命も奪わせない
ぼくの名において
ぼくの名において

とかですね、、、、、
miyavilog
2006/02/07 18:53
基本的には、メッセージ性の強すぎるもの、
思想性のあるものはあまり聞かないのですが、
これは特別。地雷問題と音楽を真摯に結びつけようとする坂本龍一の意気込みに敬意を表する一方で、音楽は音楽として独立していいなと思えるところがすごいですね。
nokogirisou
URL
2006/02/07 22:48
miyavilogさん、nokogirisouさん、ありがとう。

miyavilogさんへ
歌詞、ありがとうございます。
この時って「ワールド・シチズン」演奏しましたっけ?わりと最近、何かライヴ演奏を見ていて、ひどく感動して『買おうかなぁ』と思った記憶はあるのですが…

nokogirisouさんへ
>音楽は音楽として独立していいなと思えるところがすごいですね。
そうですね。広がってゆくには、それは、とても大切な事かもしれません。
 
Cacao
2006/02/08 22:56
この放送は見ました。地雷だけではなく戦争の爪痕が多く残っています。多くは戦争を経てきた人たちの心に。原爆の被害を受けた人たちにも。しかしそれらは時代と共に薄れていきます。現在、悲惨な戦争を経てきた人たちは少なくなってきています。しかし、地雷やミサイルなどの残存物は関係なしに今の人々を恐怖に陥れます。そして、今も外国では違う形で戦争が続いています。日本人はすっかり戦争というものから、離れすぎたように思います。戦争の経験がない世代が主流になった今、こういう事を切っ掛けに過去を見つめ直してみる事が大切なんでしょうね。
joyuki
URL
2006/02/09 21:27
joyukiさん、ど〜もありがとう。

>こういう事を切っ掛けに過去を見つめ直してみる事が大切なんでしょうね。

そう思います。経験がない分、何かに触れる度に、とにかく少しでも、考える「時間」を自分に用意しなくてはいけないのだと。そして、戦争が呆気なく起こる事を「忘れない」ようにしている必要があるのだ、と…
 
Cacao
2006/02/12 21:28

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