舞台 【オセロー】
profileでも触れた大好きな役者、「高橋洋」を初めて生で見れた感動を第一に書くべきところだけど、(正直者なので…笑)「蒼井優」ちゃんに強く惹かれた芝居であったことを告白したいと思います。
若く、たおやかでありながら芯が強く、真っ直ぐに清らかさを貫く…そんな役柄が彼女にピタリとはまっていました。
恥ずかしながら、彼女の出演作はTV「Dr.コトー」ぐらいしか見ておらず、あの微妙に揺れを含んだ(名前のごとく)優しく柔らかな声が、ここまで豊かにしっかりと響いて来るとは意外で、素晴らしい誤算でした。
今回の役柄は、心情的にハムレットのオフィーリアに重なるものがあると思いますが、同じシェイクスピア劇なら、今度はぜひ!彼女のジュリエットを見てみたいなぁと思ってました。ロミオ役に小栗旬なんか、どうでしょうねぇ?(笑)
そして、注目の高橋洋(ヨウ)。私が今までTV映像で見たお芝居(6作以上)では、ほぼ、どちらかと言えば正直で裏表のない心根を持つ役を演じていました。しかし、この作品では、そういう、ホレイシオのようなイメージで「表」を、「裏」では、リチャード三世のような非情なほどの悪党を演じたわけで…個人的には『やっぱり、「正」の高橋洋が見たかったなぁ』というのが正直な思いでした。
ただ、表と裏を演じ分け、時に交錯するという…とても難しい役どころを、さすがの実力で安定感を持ってこなしている印象を受けました。
彼が徹底して腹黒く暗躍することは、主役のオセロー(吉田鋼太郎)の高潔なはずの精神が、信じ難いほど揺さぶられ、根も葉もない誤解に溺れるように崩れ、嫉妬に狂ってゆく姿を、自然な成り行きとして映して見せる効果を高めるわけですから、「何故、ここまでオセローに対し憎しみを抱え込んでしまうに至ったのか?」と思わせる演技は大成功ということになるのでしょう。
休憩を15分挟んで計3時間55分。観る側にも相当な忍耐を強いる悲劇でした。
見るのがツラクなった私は、(初めて)休憩時間にアルコールを入れて、ちょっと気持ちを麻痺させるのを狙ったくらいです(苦笑)
しかし、舞台の効果音に銃弾の音が使われていたように、こんな風に呑気に観ている者には測り知れない「憎しみ」が、今、世界で拡張を続けているテロや戦闘の「根」であると考えるならば、この物語は、もはやフィクションとして留まらない。
それなら、
『この舞台で見せつけられた「人の愚かさ」を救う手がかりは?(同じく此処で表されていないのか?)』
よくよく考えてみると…シェイクスピアの劇には、最後に第三者的な登場人物が、事の次第をまとめて話して聞かせるという場面が、よく見られます。
もしかすると、コレかもしれませんね。
当事者間では解決できないことを、第三者が平等な視点をもって間に入り、両者を納得させることができたら…絶対絶命と思われることにも、変化を与えられるかもしれません。
→彩の国シェイクスピア・シリーズ第18弾 「オセロー」
2007.10.13 公演にて
(この日、カメラが入っていたので、どこかで放映されるのでしょうか?)

この記事へのコメント
最近、気に入っている俳優の一人なので、とても気になりました。
でも、ファンの方は妬けちゃうでしょうね(苦笑)