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zoom RSS 山田詠美 「無銭優雅」

<<   作成日時 : 2009/09/20 11:37   >>

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画像彼女の作品を読むのは、たぶん3作目。1作目は「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」だったはず(不鮮明)そして、数ヶ月ほど前に、キャラメルのパッケージのような「風味絶佳」を購入。
対談で「ステレオタイプが‥」を連発する人、という(私の中での)彼女への片寄った見方(苦笑)が変化した作品となった。そして、この「無銭優雅」
『わかる気がする』と一々思ってしまう自分に歳月を感じる。でも、妙に素直に、この物語の中に入ってゆけるのは、自分の現状と重なる部分が随所にあるからなんだろう。

「風味絶佳」は2005年谷崎潤一郎賞受賞作品ということだが…短編集ということもあり、例えば、同じく受賞作である堀江敏幸「雪沼とその周辺」と比較すると、より人が生き続ける上でのナマメカしいところに降りていっていると思うのだけれど、
「無銭優雅」は、たぶん、オハナシのように受け留める人も大勢いるのではないだろうか?
そして、私のようにツボにはまる人間には、単なる絵空事では済ませられない共振が待っている。


〜引用
「慈雨ちゃん以前の人生、なかったことにしたい」
そんなこと。言わないでほしい。「私以前」があるからこそ、私はここに導かれたのだ。どのような道程を経て来たとしても、それが、今の栄を形作っているのだ




から始まるところ。結構、ありがちな台詞なのだけれど、この物語の中では、煌々として意味深い。続く、この表現が好きだ。


〜引用
「私、私の知らない栄くんも好きだよ。一緒にいると、時々、炙り出しやった時みたいに浮き上がって来て、楽しませてくれる。」



帯書きにはこうある「心中する前の心持ちで、つき合っていかないか?」
40歳前半の二人の、そんなふたりだからこその、恋物語だ。本当に大切なものを知りかけた男女が、真剣に相手に向きあい慈しみ合う。
大人と呼ばれ、あるいは青春をとうに過ぎてからの「心」を、こんな風に保つことができたなら、本当に価値がある‥優雅な時を過ごしていると言っていいだろうなぁ。
ただ、個人的には、ラストシーンの展開が粗い気がした。


PS.「風味絶佳」も、さすがにちょっと山田さんチックではありますが、面白いです。
 
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