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zoom RSS 堀江 敏幸 【めぐらし屋】

<<   作成日時 : 2010/04/28 22:33   >>

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画像最近、忙しく‥なかなかテンションが落ちないので、久々に文学系の本をちょっと読んで眠りに就くことにしています(笑)
堀江さんの本は、以前「河岸忘日抄」  「バン・マリーへの手紙」を紹介させていただいたことがありますが、こちらの本は、谷崎潤一郎賞を受賞した「雪沼とその周辺」の方に近い匂い。
主人公が女性だからでしょうか‥それにしても、
平凡でありながらも一つ括りにはできない女性「蕗子さん」の日常にフト訪れた、「ぬるま湯」のように穏やかに彼女に血を巡らす(←こういう意味かどうかは分かりませんが…)父親の遺したものを、
ゆっくりと丁寧に(しかし、今回は、じれったさは感じさせず、)彼女の今置かれている背景から炙りだしてゆくような自然な流れ方は、やはり、とても魅力的です。
蕗子さんの設定が自分と共感し易いせいか、彼女が文中で発した最後の「声」の持つ熱っぽさが、私の心の中にポッと小さな明かりを灯してくれるようでもあります。


「結」は読み手に託されていますが、「起」は、こんな感じです。

〜 堀江 敏幸「めぐらし屋」より引用しています 〜

黒い背にすり切れた金文字の商標が入っている厚手の大学ノートをひろげたとたん、蕗子さんは言葉を失った。表紙の裏に画用紙の切れ端が貼りつけてあって、そこに黄色い傘が描かれていたからである。粗い筆致のクレヨン画で、きれいに開いているのと閉じられているのと二本、輪郭は黒、柄の先のハンドルにだけは茶色が使われており、開いている傘の近くに、赤いランドセルを背負ったちいさな女の子が立っている。
 
 

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堀江敏幸 【バン・マリーへの手紙】
眠りにつく前、こういう本を開いて、その日の雑念とは無縁の空間にひと時・・ 入りこめることの「幸せ」 難しいことは分らないし、気にもしない・・私の中では、この人の文章を読んでいる時の感覚は、高校生の頃、エラリー・クイーンの推理小説を夢中で追いかけていたのに近い気がする。 ...続きを見る
私を生かすRipple
2010/04/28 22:38
堀江敏幸【河岸忘日抄】with ナラ・レオンのボサ・ノヴァ
「ためらいつづけることの、なんという贅沢」、か・・ 作品の方が、受け手のタイミングを窺っているということがあるなら、それは、この前の日曜、私に対して明らかに姿を見せた。 ...続きを見る
私を生かすRipple
2010/04/28 22:46

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