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zoom RSS fennesz + sakamoto 【cendre】

<<   作成日時 : 2007/04/02 23:06   >>

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このCDの3曲目、"haru"と名付けられた楽曲で、私はおそらく初めての体験をしました。

ただ、ただ、涙が溢れだして来て、止まらなくなってしまったのです。それはもう、何故なのかワケがわからなくなってしまって…あまりの不可解な状態に、思わずSTOPボタンを押してしまいました。
特別に感傷的な夜でもなかったのに…こうして、今、何回か聴いていても、その時の感情にはおそわれないようです。あの不思議な感触は何だったのでしょうか?

このCDは、坂本龍一クリスチャン・フェネスによるユニットの新譜ですが、坂本さんのピアノとフェネスさんの創り出す、繊細でノイジーな音色が、静かに会話をするような作品だと私には思えます。
それにしても、坂本さんって、いつからこんなに、優しくピアノを弾くようになったのでしょう?(チェック不足なんでしょうか…)

(好き嫌いは分かれると思いますが)全体的に、少し疲れた魂を深海に誘い、しばし横たえて休息を与えてくれるように感じるのですが…印象に残った楽曲について、少しコメントしてみます。

尚、坂本さんの解説(newsletterから引用)から抜粋すると、
「それぞれのトラックにはもっともらしい名前が付いていますが、―略― なるべく短い言葉……"俳句的"というかね。音楽にも言えることなのかもしれませんが、なるべく少ない音で、受け取る側にイマジネーションを働かしてもらおうというような気持ちが込められている。「oto」と言っても、直接"音"を表しているわけではありません。」
とのこと。


画像"oto"
液体の入ったガラスのグラスの縁に手を触れて出すような、柔らかく繊細なノイズに、ピアノの音色が尋ねるような調子で絡み合い、海の底の白い砂漠を一緒に浮遊し続けるよう。

"haru"
斜めに楕円を描き続ける螺旋。サティの旋律を豊かに膨らませたような和音。
ひずんだ音がゆがんだ世界を矯正してゆくみたい。

"kuni"
心に空気がたくさん送り込まれて、まあるく球状にどんどん膨らんで大きくなって、やがて自分の体から分離するように、目の前に現れる…そんな風に感じました。

"cendre"
少し、幸宏さんの"IN COLD QUEUE"と重なりました。音の重なり具合とジリジリする音色に。でも、比較すると、こちらの方が明らかにやわらかく透明感があり、奥深い所に荘厳さも漂います。
このCDは出来上がった順に曲を並べてあるらしいですが、この辺から終わりにかけてトーンが似てるように思います。

"abyss"
少し気だるさを纏った坂本さんのピアノ。しかし、音の一つ一つの最後にはスっと抜けてゆく隙間があって、ちらちらと希望も覗き見ることができる。
私には、「自らへの鼓舞」と「きる」というイメージが湧いてきました。図らずも、最後を飾るのに相応しいと思えます。


01: oto
02: aware
03: haru
04: trace
05: kuni
06: mono
07: kokoro
08: cendre
09: amorph
10: glow
11: abyss
 

* - * - *
ちょっと余談ですが…

関係者さんのブログ記事から
「ライブでの演奏形態や楽曲はまだ殆ど何も決まっていませんが、」―略―
「YMOからHASに至までの、彼らの軌跡がかいま見られるのではないのかと推測されます」
とのことですよ〜(嬉)
 

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
やられました。。ぼくもさっそくブログに書こうとおもっていたところ。。このところ教授さんのソロはあまりパッとしなかったのですがalva notoなどコラボ作品がひかる教授。
その集大成と言えるくらい絵画的。
ジャケット写真がまずいい。。
haru.
とくにいいですよね。。
ぼくも涙ができるくらい気持が入ってしまっています。。
フェネスはとくに昔から好きなアーティスト。
2年前のEP作品が良かったので楽しみにしていました。
ISAO
2007/04/03 02:14
skysongさん、shuumaさん、そしてCacaoさんとみんな記事にしてますね。僕も、iTSで購入して聞いています。今日の東京は雨模様で、薄暗い朝でした。何かその雰囲気にぴったりと来る楽曲です。一時期細野さんがアンビエントでしたが、最近は教授がアンビエントなんですね。

HAS楽しみですね。
joyuki
2007/04/03 12:43
TBありがとうございました。
私もTBさせて頂きました(^^)ノ

このアルバムを聴いていると、どうしても眠くなってしまうんですよね(^^ゞ気持ちよすぎて(笑)
疲れてる私にとっては「麻薬」じゃなく「睡眠薬」のようです(笑)

HAS、楽しみですね。楽しんできて下さいね♪
shuuma
URL
2007/04/04 08:36
☆ISAOさんへ

>ジャケット写真がまずいい。。

そうなんです。私の購入(予約)動機は、今回、まずソレでした。(< 教授、ごめんなさい)

>その集大成と言えるくらい絵画的。

そうですよね。
このブログに掲載する際、写真に撮って取り込んだ画像の色をできるだけ生で見るのに近くしてみたつもりなんですが、(おかげで粗くなってしまいましたが…)
ちょうど、色の感じがミレーの「晩鐘」みたいだなぁと。でも、楽曲から想像するのは、やはり「印象派」ですね。
 
Cacao
2007/04/04 20:07
☆joyukiさんへ

>〜みんな記事にしてますね。

私がお仲間に入るのは珍しいですねぇ。

>今日の東京は雨模様で、薄暗い朝でした。何かその雰囲気にぴったりと来る楽曲です

なるほど…

昨日、珍しく陽の落ちないうちに会社を出まして、厚ぼったい灰色の雲から橙色の太陽が生れ落ちてくるような光景を見て感激していたんですが、
近くの山の影の黒とそれらの色彩が、ちょうど、このCDのジャケ写のようだなぁと思ってました。

でも、確かに、CDの中の音源は、それよりは、ペールグレーというか、「水」を想像させられる感じですね。 
Cacao
2007/04/04 20:09
(続)
「アンビエント=環境音楽」…そう読むと、ちょっと括りが甘いのかな?

幸宏さんが、ミカ・バンドのLiveで「虫系(の音楽)」と言われて「それって、ばかにしてるの?」みたいなMCがありましたが(笑)、
その表現には、たぶん、環境系という含みがあると私は解釈していて…
でも、古くから、サティ、ドビュッシーなんかの印象派的な音楽には、すでに、こういう音色が流れていて…それに関しては特別な意識を持ちませんでした。

どちらかと言うと、バルトークや武満徹さんなんかの、「現代音楽」風な…
論理的に、不協和音を取り入れるような音楽として聴こえました。
(そこが『教授らしいなぁ』と)

>HAS楽しみですね。

なんか、room+66のMLで叱られちゃった感じですが…(入れなかったら、どうしよ)
 
Cacao
2007/04/04 20:10
☆shuumaさんへ

>どうしても眠くなってしまうんですよね

そういう方、多いんでしょうね。個人的には、あの"energy flow"より優しいと思います。

>「麻薬」じゃなく「睡眠薬」のようです(笑)

(笑)私にはビタミン剤かもしれませぬ。

>HAS、楽しみですね。楽しんできて下さいね♪

ありがとうございます。(残念ですけど)shuumaさんの分も…
 
Cacao
2007/04/04 20:11
人によって異なるであろう感想を読んでみるのって面白いですよね。
違う部分で納得する表現があったりします。
存在する音楽
URL
2007/04/05 00:05
存在する音楽さんへ

>面白いですよね

ですね!
まさに、「なるべく少ない音で、受け取る側にイマジネーションを働かしてもらおう」という教授の言葉が広がっています。
 
Cacao
2007/04/06 22:01
>>坂本さんって、いつからこんなに・・・
僕ぁヘクトル・ザズーとの『Harar et les Gallas』での教授のピアノなんか聴くとうるうるなったりしますですよ。
・・・教授のピアノのせいだけじゃないと思いますけれど。

コメントありがたうございました。

あ、クラシックラガー@江戸篇はウチの近所でも1ヶ所だけしか置いてませんでしたねぇ。
で、見つけてニヤニヤしてしまいました。w
miya
2007/04/09 22:51
ど〜もぉ、miyaさん。こちらの返信の方が遅くなりまして…

>ヘクトル・ザズーとの『Harar et les Gallas』での教授のピアノなんか聴くとうるうるなったりしますですよ。

やはり、チェック不足なんでしょうね。

>江戸篇はウチの近所でも1ヶ所だけしか置いてませんでしたね

きっと、味から分析した需要の関係なんでしょうね。今日、ちょっと味見をしたら、なんか懐かしい味のような気がしました。
 
Cacao
2007/04/14 21:34
音楽を聴いていてただ涙があふれてくると言う体験、ふしぎだけれどありますね。
なんでなのでしょう?
音楽の力ってふしぎです。琴線にふれるというのはこういう感じなのでしょうか。
Cacaoさんの記事を読むとどうにも今すぐに
この新譜を聴きたくなってしまいます。
nokogirisou
URL
2007/04/18 21:59
nokogirisouさん、こんにちは。

>琴線にふれるというのはこういう感じなのでしょうか。

どうなんでしょう。今回のは、ちょっと違う感じがしました。もっと、無防備で根っこの部分を揺らした感じ。今もって不思議。
 
Cacao
2007/04/23 21:28

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