私を生かすRipple

アクセスカウンタ

zoom RSS ピカソ展からの戯言

<<   作成日時 : 2008/01/13 22:04   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 6

91歳、1973年まで生きたパブロ・ピカソ。彼の晩年の作品展が、今年の私の美術展の初鑑賞となった。すでに「〜の時代」という呼び名を特に持たない'60年代前後の、伸び々々とシンプルな子供の描くような絵柄の陶芸作品やポスター、或いは老人のエロティシズムとも表せるような作品、そして、印象深く見た闘牛のモチーフなど…ドキュメンタリー映画などに残されている「激しい」イメージとは異なって、より自由で柔らかなものに映った。
絵皿の図柄には、コクトーのそれのようにシンプルな中にも揺れが感じられた。デッサンには、マティスのように包容力に満ちた線があったり、いつかの記事で紹介した優しい母子像に似たものもあった。


画像この絵は1959年「特赦請願のためのポスター」だそうだ。有名なモチーフである鳩(平和、平安)を檻の内側から見つめている受刑者。その姿に、私は他人とは思えないものを感じた。その彼は、今の世に生きる私達一人一人ではないのか?と。
だから、大きく見開いた目に何が映り込んでいるのか…つまりは、そこには自らの罪が見えるような気もして、その前に立ちつくしていた。

少し、逸れるけれど、
今、ビデオの中に寝かせていた蜷川演出、小栗旬主演の舞台「カリギュラ」を見たばかりだ。私は彼の舞台を、藤原竜也主演の「ハムレット」でしか知らない。しかし、予想以上の才能を見た。24歳という若さだからこそ自然に出せる感情の切り離し、表しうる悩みの形。想いの裏表、その隔たりの遠さに素直に感情移入できる。
そして、主人公カリギュラを狂人的な暴君のように振舞わせる悩みのそれぞれは、決して特別なものではないはず。その重みを、どう捉えるか、突き詰めようとするか?だけ。
そう思う時、私を含める日本人全体には、カリギュラの持つ熱が、少しは必要なのではないかとさえ思う。しかし、もちろん、ベクトルは同じであってはならないけれど…。


画像そして、これが、闘牛のモチーフの一つ。
マタドールが闘牛の角から布で身を守っている。販売していた絵葉書には、逆に、闘牛に剣を突くために躍動するマタドールの図柄もあったのだけれど…私は、無意識にこちらを選んでいた。
たぶん、その行動は私の性格そのものを象徴しているんだろう。

例えば、最近考えることに「格差」というのがある。以前は、とにかくソレについて悪いものという捉え方をしていた。しかし、ある映画の1シーンを見ていて、考え方は変わってきた。
格差は色々な意味で、人の世界では付物であり逃れられない。そして、皮肉なことに、世の中を絶えず流動的に回すものなのだ、と。逆に「公平」とは幻想的、同様に日本人の大半が数十年の間刷り込んできた「中流」とは、ある意味で罪深いものだったかもしれない、と。
だから、守りたいと思う。
人はすべてにおいて同等ではいられず、自分の守備範囲でできるだけの役目を果たすことを求められているのではないだろうか?それなら、私のような人間は、分をわきまえ、同時に分を尽くすように生きるべきだろう。それを越えるような考えに惑わされないようにして…
 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ピカソの作品を直接見たことは何度かありますが、やはり本物をみたことがあるかないかでは違うなと思います。
存在する音楽
URL
2008/01/14 07:28
おはようございます。
絵画って音楽と似てますよね。
もしかしたら、人の為す行為そのものが個性なのかな。
ピカソの絵は自由な感じがいいですね。
elmar35
2008/01/14 09:08
☆存在する音楽さんへ

巨匠なので・・まず、ピカソ絡みの展示会自体が数が多いですよね。それに、どこの美術館に行っても一枚くらいは作品があったりします。当時の絵描き達の交流が見えるようです。

>やはり本物をみたことがあるかないかでは違うなと思います。

私は「色」に惹かれるところがあるので、まず、その違いは明らかですね。もちろん、迫力、圧力のようなものも。ただ、どこかで「ゲルニカ」のレプリカのようなものを見た記憶があるのですが、それは、本物でなくとも、凄い力を感じました。

 
Cacao
2008/01/16 18:58
☆elmar35さんへ

>絵画って音楽と似てますよね。

そうかもしれませんね(観賞するという点においては)。

>もしかしたら、人の為す行為そのものが個性なのかな。
>ピカソの絵は自由な感じがいいですね。

どうでしょうね?(難)
確かに生きているうちに作品が評価され、ある程度の自由を持って創作もできただろうと思うと、ピカソの生き方の軌跡が作品にも表れているかもしれませんね。
とは言え、今回、晩年の作品に見えるような気がしたのは、「ままならない」感じや、(相変わらず女性に)「振り回されている」感じ(苦笑)でした。あれほどの活躍をしながらも、彼はなかなか満たされず、ずっと不自由な想いを抱えていたのかな?なんて…

 
Cacao
2008/01/16 18:59
ご無沙汰しています。あっ、明けましておめでとうですね。遅くなってしまってすいませんです。なんせ大晦日まで仕事で、年明け2日からレコーディングだったもので。んでもってもうご存知かも知れませんが、幸宏さんが新しいバンドを作りましたよ。メンバーは高野寛君に漣君、権藤さんに幸宏さん。ここにとあるヴォーカリストが加わります。録音も始まっていて、幸宏さんのソロ・アルバムと同様、夏頃には発表されそうです。ちょっと聴かせてもらってきましたけど中々ですよ。
TY
URL
2008/01/29 01:14
TYさま

こちらこそ、御無沙汰・・いえ、あけましておめでとうございます(笑)
TYさんブログで購入宣言した年末の作品、聴きましたよ〜。外国ものには珍しく(手作り印刷のような)地味なシールが付いてたりして…しかも、ジミー・ペイジの(苦笑)←緊急来日されてましたね!一頃よりスリムでかっこ良くなられてました。
中味は、私には英国トラッド風というより、カフェで聴けるブルースみたいな感じがしました。クラプトンが影響を受けたのも十分頷けるなぁと。(←感想はTYさんとこに書くべきですねぇ…笑)

>幸宏さんのソロ・アルバムと同様、夏頃には発表されそうです。

情報さんきゅーです。楽しみですねぇ。きっとソロも同様のメンバーを起用すると考えると『バンドって、何故?』と思ってましたが、幸宏さん以外のヴォーカリストを立てるというとこなんですね。誰なんだろう?なんとなく女性がいいかなぁと思いますが。私が知ってる人か否か…その発表も楽しみです。
 
Cacao
2008/01/30 12:04

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
ピカソ展からの戯言 私を生かすRipple/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる